当たりまえの毎日から得た
気づきが、
誰かの命を救う研究。

THE SPECIALIST

LabworkKENTARO MIURA
研究開発本部 開発部|三浦 健太郎
北海道出身。大学では有機化学を専攻し大学院修了まで研究を続ける。就職活動では農業系の研究開発職を探していたものの、医療への応用という選択肢を恩師に示され、その可能性に魅力を感じる。2015年富士システムズに入社。

安定した経営基盤と、
意外なチャレンジ精神に惹かれて。

北海道出身で大学では化学を専攻していました。大学卒業時に就職活動はしたものの、やはり研究を続けたいと大学院に。有機化学に関する研究をしていたので、自然と農薬系のメーカーなどに進むのかなと思っていました。しかし、思うような結果にならず悩んでいたとき、大学の教授から「富士システムズという会社があるよ」と声をかけられたのです。
調べてみると、カテーテルを中心に様々な医療機器を製造している企業。「きっと経営は安定しているだろう」と分析している中、実は人工肺などのチャレンジングな分野にも挑戦していると知り、「何かおもしろそうな企業だぞ」と直感しました。着実さとともに未知の領域に踏み出す冒険心にどこか共感があったのかもしれません。早速、面接を受け内定。当初は、開発ではなく技術営業としての入社でした。しかし、研修を受ける中で、開発に向いていると判断されたようで、開発部へと配属。驚きながらも、最初の半年は開発の基本を学び、少しずつ仕事の範囲を広げていきました。そして、改良が中心だった開発案件から、ゼロから自分で考えていく開発へとステージアップ。仕事のレベルが上がるごとに達成感も充実感もどんどん増していったのです。

新たな発想で、脳手術のデバイスを開発。

もともと、身近にあるものを見て、構造や仕組みを考えることが好きだった私。研究職についてからは、気になるものを見つけるたびに、「どういう仕組みなんだろう」「この構造、何かに使えないかな」と以前にも増して思いを巡らせています。
あるとき、私とは別の部署で、脳の手術用デバイスの開発が頓挫していたことがありました。その製品は複数のカテーテルを組み合わせた複雑な構造で、ジョイント部分の凹凸が脳を傷つけてしまう恐れがあったのです。つまりその開発の課題は、凹凸をなくして、カテーテルがはずれない構造を実現すること。私はそんな話を聞いていて、いつもの“構造を考えるクセ”が発動したのでした。そして、こうしたら良いのではと、思い切って提案してみると、私が担当させてもらえることに。新たな素材を使う方法だったので、素材の担当者も巻き込みながら試してみたところ、開発に成功。この、会社の課題解決に自分の発想が役に立った経験から、よりいっそう自信を持つことができました。

まだ、ノウハウすらない技術を生み出したい。

現在は主力商品に関する研究を後輩に譲り、私は開発のノウハウが確立してないプロジェクトに取り組んでいます。具体的には、シリコーンを使った新しい製品の開発や、ポリウレタン・ナイロンなどのシリコーン以外の素材を使ったカテーテルなどの研究です。私としては、シリコーンを使った今の主力商品に負けないような製品を作りたいと考えています。理想は、これまでにない発想で素材や技術を活かした製品。すでに、シリコーンの性質を応用した人工肺が開発されていますが、これは、カテーテルの気体を通す性質を、新しい技術に応用したものです。こういった発想の転換は、一つのモデルケースとしてとても参考になります。
なかなか良い結果が出ずプレッシャーを感じることもありますが、今は毎日を楽しむことができています。富士システムズは、工場でも営業も仕事そのものを楽しんでいる社員が多いので、その中で育てていただいた影響もあるのかもしれません。この環境は、挑戦を続けながら、自分らしく成長していける場所です。

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